カテゴリー : 音響

W40とUE900s

最初はX10を2年くらい使っていて、X10の断線後はIE80を3年くらい使用。しばらくBA型カナルと無縁だったけど、地下鉄通勤で遮音性の悪さがずっと気にはなっていた。前はEDMばかり聞いていたが、アニソンを聴く頻度もかなり多くなったので、女性ボーカルがいい感じに聞こえるイヤホンが欲しくなり、再びBA型カナルに手を出すことになった。結果的にはWestoneのW40に落ち着いたが、若干遠回りをしてしまった。

最初、色々レビューを見ながら、中高音が良く出ると評判のUE900sを検討する。その後、UE900sとShureのいくつかだけを簡単に試聴して比較し(これが失敗だった)、UE900sを購入した。1ヶ月ほど外出時はA10直刺し、家ならHP-A3で音源ハイレゾから圧縮まで色々な楽曲で使用した。あれだけたくさん付いてきたイヤーピースも、しっくりくるものが一つもなかったためコンプライのTx200にしたのだが、どれだけしっかりフィットさせても、遮音性の高さはあまり感じられなかった。イヤホンの遮音性がどこから得られるかと言えば、どれだけイヤーピースが耳奥にねじ込まれるかであり、ハウジングもそれのしやすいものでなければいけないが、ue900sはそこまで耳に収まりのいい形状とは言えなかったし、何よりステム径が割とでかいので、コンプライの利点が生かせない(=耳の奥まで入らない)。

音質的には、かなりの中高音寄り。高音の解像度は普通。試聴時はクリアでいいなと思ったが、使い続けると高音の刺さりが怖くてあまり音量を上げられない。中音域はフラットに出るが特調のある感じではない。低音域は予想どおりあまり出ない。全く出ていないわけでもないが、目立たなくなるので、すべての楽曲が軽々しい印象になってしまう。無理やりEQで低音上げて聞いてみると、低い方の分解能というか、解像度はあまり良くないように思う。音場は、BA型ながら決して狭くはない。後でSR3にリケーブルして聞いてみたが、高音の広がりが若干良くなる程度で大きな変化はなかった。高音よりではあるものの、全体的に特調のない音であまり聴き疲れしないので、PCに繋いで普段使いにするには良いのではないかと思った(もはやBA型カナルである必要性がなくなっている)。正直デザイン以外あまり好きになれる要素がなかった。

ue900s

それで、また色々レビューを見て、割と真面目に試聴して、少なくともある程度低音の出るものを前提にイヤホンを探し、またド定番のW40を買った。付属のイヤーピースに粘土みたいな超低反発のイヤーピースが入ってて、それをつけたら最初気にしていた遮音性という目的はほぼ100%達成された。デザインがありえないほどダサいのは気にしないことにした。

w40blue
「いくらだと思う?」と同僚に聞いてみたが、4千円くらいだろうとの回答を頂いた。
その差10倍である。

イヤーピースは短いものから長いもの、細いものから太いものまであった。先に書いた粘土のようなものをしばらく使用していたが、耳が若干痛いのと使用後に若干気分が悪くなることが続いたため、素直にコンプライに変えた。遮音性は若干落ちるが、UE900sよりはかなりマシなレベルである。耳に差し込みすぎるタイプのものは人によって気分が悪くなるというが、三半規管に悪い影響があるのだろうか。

肝心の音質は、中低音寄り。中高音側は不快な音域を意図的に凹ましているような印象で、それ以外の場所は元気良く鳴り、これが音楽的にかなり心地よい。
高音は突き抜ける感じではなく、UE900sに比べればクリアさにはかけるものの、量は出ており、刺さる前くらいでとどまるような印象。中音域はある程度引っ込んでいる箇所があり、フラットではないが音に立体感が出ており、なおかつ情報量もかなり多いため不足感はほとんど感じない。低音域はBAにしてはかなり支配的で、量はD型のIE80に劣るとしても、質は明らかに上回っている。かなり綺麗な低音が出ていると思う。このイヤホンを通して聴くと、ボーカルがなめらかに聴こえるようになる。

単純に乗り換え前のIE80とW40で比較すると、圧倒的な低音は敵わないにしても、W40が各帯域でバランス良く鳴らしてくれるため、アニソンを聴くためのステップアップには丁度良い感じになった。さすがにD型のIE80では、中高域の情報量や音の厚みでW40に勝ち目がない。しかしdubstepみたいな音楽だと、低音のノリが全てみたいなところがあるので、さすがにBA型で聴くのは迫力に欠ける。あくまで女性ボーカルを対象にした話になるだろう。

w40sr3
SR3にリケーブルした。ほんの少し、高音の抜けが良くなった。
見た目も少しはマシになったように感じる。

SONY Walkman NW-F885

4年か5年くらい使ってたデジタン搭載ウォークマンNW-A845の画面がつかなくなってしまいました。でもまぁ、ソニー製品でこれだけもってくれれば上々の範囲内でしょうか。僕が昔持ってたNC初搭載機であるSシリーズの香水瓶型ウォークマンは、保証が切れたらすぐ壊れるというような具合で結局3回買い直した過去があります(後からリコール対象製品だったことを知りました)。

現在のデジタルアンプ搭載ウォークマンは一つ残らずAndroid搭載で、買い替えるタイミングを完全に失っていました。とはいえアイフォンの音質ではデジアンウォークマンの代わりにはならないので、とりあえずS-masterMX搭載機では最小構成のNW-F885(16GB,ホワイト)を、量販店の店頭にて2万5千円で購入。ポイントが1500円くらいつきました。

nw-f885
画面サイズは4インチ。画面の発色は悪くない。

nw-f885r
裏側。カメラがないこと以外は至って普通のスマホっぽい。

形に文句はないけれど、やっぱ4インチAndroid搭載機になっちゃうとでかいなぁ・・・。スマホと別に持つからサイズは小さい方がいいのに、これじゃあかさばってしまいますね。それともテザリングでもして、こっちをメインで使えって事なんでしょうか。

一通り使った感想としてまず浮かんだのは、思っていたより操作感は悪いものではなかったという点。Android端末はNexus7で経験していたために操作の互換性という前提はあるものの、昔どこかの店で触ったAndroid搭載ウォークマンのカクカク具合はほとんど改善されていて、Aシリーズからの乗り換えでも障壁は感じませんでした。音楽再生だけなら、バッテリーも前まで使っていたA845よりもってくれています。
しかしながら、この端末を白ロムAndroidライクなものとして見るのであれば評価は変わるでしょう。音楽再生以外のウェブブラウジングやメールなど、スマホなら普通にできることはできるけれど、そういう音楽再生でないアクションをした際のバッテリーの減りが半端なものではありません。カメラもないし、なぜAndroidにしたのかわかりませんが、iPod touchの真似事がしたかったのなら失敗だとしか言いようがありません。この端末で用いるAndroidアカウントを普段使っているスマホやタブレットと同じものにするのであれば、内面と外面どちらの要素にも危険がつきまといます。バッテリーの具合を見ても、アンチウィルスアプリを入れる余裕はないので、やはりスマホ的な使い方をせず、Googleアカウントも専用のアカウントを設け、機内モードで通信を切り、音楽再生に特化させるのが一番かもしれません。要するに、単なるDAPだったものにAndroidを載せたはいいが、利便性には繋がっておらず、面倒事が増えただけじゃないのってことです。

nw-f885ss
標準のAndroidから特に変わった点は見られない。

しかしAndroidにしたことで利点が全くないかというとそうでもありません。Androidにはいくつかの音楽プレイヤーがあるので、それまでは一つだった音楽プレイヤーのUIや、基本となる音質設定などの限定という点からは解放されています。Fシリーズだけかもしれませんが、デフォルトで入っているウォークマンの「W.ミュージック」とかいうアプリの音質設定がかなり悪いので、この点は助かりました。このアプリ、付属イヤホンに最適化されているのかわかりませんが、IE80で聴いた限りではかなり耳が痛くなる傾向の音です。音場表現が狭く、SONYのドンシャリの悪い部分だけを鋭くし、定位も悪い。とにかく聴き疲れするのでこれは何だろうということで少し調べたところ、このデフォルトプレイヤーはかなり質が悪いそうで、使わないほうがいいのだそうです。先人の意見を参考に試した限りでは、有料ではあるものの、GoneMad Music Playerというプレイヤーがこのウォークマンに最も合っていると感じました。音場表現もそれなりの広さがあり、定位も明瞭で、それぞれの音域を漏らすことなく表現しており、デジタルアンプの特性を最も活かすことができるはずです。デフォルトのプレイヤーにはガッカリさせられましたが、プレイヤーアプリを変えた途端、Aシリーズを上回る表現の音を出してくれました。ここまでくると、ハードとして完成しつつあるデジタルアンプの精度向上を優先し、ソフト面ではテキトーに作った各種アプリをAndroidに流し込むことでコストの均衡を取っているのかなあとか、思ってしまうわけですが・・・。

このFシリーズでの有料プレイヤー再生時とAシリーズの再生を単純に比較するなら、S-MasterにMXが付いているだけのことはあって、特に分解能の点で大きな進化を感じることができました。それ以外の部分ではあまり変化がないようには思いますが、単純に僕がmp3の再生しかしていないからであって、ハイレゾなんとかかんとかを再生をしたらほかに大きな変化が見られるのかもしれません。そもそもイヤホンだけならS-Master無印の時点で完成度が高かったので、変化を深く感じるのは難しいという話でもあるのでしょう。
またF880シリーズの特徴として、これまでのAndroid搭載Fシリーズには無かった、再生・楽曲の送りボタンが追加されたそうです。
今までついていなかったのか・・・(困惑)

nw-f885button
各ボタン。ちなみにウォークマンのロゴ部分が外部スピーカーになっていて、当然ながら音質は期待に値しない。

このボタンも中々曲者で、プレイヤーをデフォルトではないものにした場合、どのプレイヤーにこのボタンが割り当てられているのかという点の設定項目が見当たらず、メインで使っているプレイヤーとは違うデフォルトの糞プレイヤーが突然再生を始めたりします。まだ使い始めて間もないためだとは思いますが(そうであるのを願うという意味で)、何回かプレイヤーアプリをそれぞれ立ち上げたり終了したりしながらこのボタンをたまに触るという行為(バッテリーがかなり減る)をしていると、上手く割り当てられるような気がします。デフォルトプレイヤーはアンインストールできないので、一度使いたいプレイヤーにボタンが割り当てられたら、二度とデフォルトプレイヤーを起動しないようにする方がいいかもしれません。

ウォークマンがAndroidに走ったということ自体は失敗だとは思いません。しかし、せめてハイエンドでもない価格帯の機種をこういう形で出すならば、Android端末として使う側が違和感を覚えないようにするのが先決だったのではないでしょうか。これでは、Androidにした理由はユーザーのためではなく、単に開発側がソフトウェアを一から作るのが面倒だったからとか、流行り物に乗っかってみただけとか、そういう捉え方をされても仕方がないです。スペックは問題ないレベルまできて、プレイヤー周りの選択肢が広がるのはユーザーにとって面白く、カスタマイズ性を持たせたわけなので、あとはバッテリーとか、自分の所で作ってるアプリをどうにかするところに力を入れるべきでしょうね。あのちょっと高そうな付属イヤホンもそろそろ考えもの。いろんなレビューを見ていると、こういうデジアン載ってるDAPを買う人ってそれなりのイヤホンを持っている人ばかりのような気がします。無理に付属されても結局使わないのだから、そのぶんどこかに力を入れたら良い端末になりそうなのになぁとか。まぁそんなことは実際に無理なので現状があるのでしょうが、デジタルアンプがこれだけ成熟している中で、ホント惜しいと思います。

audio-technica AT-MA2

at-ma2
5000円くらいで買ったオーテク製のマイクアンプ。PCのライン端子が埋まっているため、UCA202を仲介させてのUSB入力となっている。アンプのゲイン調節つまみに関しては、もう少し下へ調節つまみがあれば便利だなというのと、1時から上は出力が強すぎて、僕のように一般的な環境では全く無意味ではないかと思うところだ。もちろん、中々音を拾いづらい環境でもなければこんなアンプは必要としないだろうから、この調節の範囲で上下どちらかが足りないとかいう問題は恐らく出ないだろう。
こいつを買ってから、マイクを使用する上で感度の不便さを感じるという場面は減った。しかしながら、この5000円という価格に対し2500円ほどの機能に関してを便利だと感じているだけで、残りの2500円に関しては一生使うことがないまま終えそうでもある。というのも、業務用のボーカルマイクや何か特殊な集音機器をライン入力で使いたいだとか、そういう用途でなければこの値段でこいつを買うのは割高だと言えるし、ただ通話だけの用途に対してこの値は高いと感じるのならば、ホワイトノイズなど気にせずにソフトウェア的な増幅をしたほうがマシかもしれない。それでもアンプ自体の完成度と使い勝手はさすがに素晴らしく、特にスタンドマイクを利用する際は半ば必要不可欠な存在となってくれている。

FOSTEX HP-A3


下の黒いのがHP-A3、上に乗っているのはAT-MA2(マイクアンプ)。どちらも小さいです。

フォスター電機のブランドであるフォステクス製のHPA付きDAP。音圧が増し、低音の厚みが出るため系統の似たHD650とは相性が良い。これ以前にクソアンプ(失礼)で有名な某なんとか20を使っていたのはいまや懐かしい過去ですが、そのアンプではどうもインピーダンスの高いヘッドホンを上手く鳴らすことができなかったので、とりあえずこのDAC一発で聴いてみると予想をはるかに超える音を得ることができました。しかしながらUSB経由で音をとると低音が飽和して全体のバランスが崩れてしまうものの、光デジタルケーブルでSPDIF入力に切り替えるとレンジが広くなって改善される。どちらもデジタル信号であることに違いは無いはずなのですが、何度聞き比べても音が違う。この差は何なのだろうか。電源供給にUSBを使っていることによるなんやかんやの差なのかもしれませんが、USB出力を通したコレにHD650を繋ぐと低音が多すぎてリスニング用途には耐えないため、SPDIFしか選択肢がない。デジタルケーブル同士で大きな差を見せられると値の張るデジタルケーブルなんかも欲しくなってしまうが、また新たなスパイラルに陥いるのが目に見えるようなのでここは我慢しよう。

僕の固体はギャングエラーが少し出ているのでライン側のレベルを上げすぎるとバランス崩れます。というか今まで買ってきたヘッドホンアンプやDACは全てギャングエラーが出ていまして、これはもう何かの宿命なのやもしれませんが、100%出ない固体が欲しいならデジタルボリュームの製品を買うしかないということで半ば諦めています。とはいってもPCオーディオだと対処法はいくらでもありますから、あまり気にするところではないのかもしれませんが。

欠点を差し引いてもHP-A3は長い間楽しませてくれており、中々良い買い物をしたと思っています。

ULTRASONE HFI-780

もう3年ほど前になりますが、2万円くらいで買ったULTRASONEのHFI-780というヘッドホン。
SU-DH1にハマっていた頃、ゾネホンに搭載されているS-LOGICとドルビーヘッドホンの相性が良いと聞き即座にゲーム用途として購入するも、残念な結果に終わりました。

S-LOGICは2.0chでも前方定位が得られ頭内定位が解消できると謳われています。しかし僕の場合はそんなことはなく、ごく普通のドンシャリヘッドホンのような音しか聴こえません。特徴として挙げればヘッドホンにしてはローエンドが低い(ウーファーのような音が出る)という点くらいで、音場も狭く、3Dシューティングで優位に立つにはほど遠いものを感じます。仮想5.1chを通さず2.0chで使おうにも中音域がまるっきり抜けているので、最近はやりのカジュアル系FPSのような足音の小さいゲームで役に立つかは怪しいところ。側圧は強く長時間装着していられるかといわれれば厳しくもあり、時間とともに頭頂部も痛くなる。打ち込み系のリスニングにはかなり合うと思われますが、ゲームに合わないことだけは断言できます。

このヘッドホン、仮想サラウンドに合うというレビューも見たことがあるのですが、恐らくS-LOGICの個人差によるものであり、その差は実際に聴いてみないと分からないのではないかと思われます。S-LOGICという機構自体が人間の耳介の反響を利用して音場を形成するようなものなので、人によっては聴こえ方が180度変わる可能性もあるわけです。2ch音源のリスニング用途に使うにもそれ以外の用途にしても、ここまで人を選ぶヘッドホンは珍しい。僕は試聴せずに買いましたが完全に失敗でした。装着感の悪さも相まって僕の中では最悪の評価ですが、ローエンドの音が重視されるという稀な用途に限って使うことがあり、その点でなんとか使い分けができているという次第です。

ヘッドホンは耳の近くで微量な音をチリチリ鳴らすだけのものですから、ある程度の評価の差異は仕方がないのは理解してたつもりでした。しかしここまで変わってくるとなると、当時2万3千円でこれを購入した身としては納得のいく結果ではないのも確かです。勉強代としては少し高いですが、試聴の必要性を痛いほど教えてくれた製品でした。

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