4年か5年くらい使ってたデジタン搭載ウォークマンNW-A845の画面がつかなくなってしまいました。でもまぁ、ソニー製品でこれだけもってくれれば上々の範囲内でしょうか。僕が昔持ってたNC初搭載機であるSシリーズの香水瓶型ウォークマンは、保証が切れたらすぐ壊れるというような具合で結局3回買い直した過去があります(後からリコール対象製品だったことを知りました)。

現在のデジタルアンプ搭載ウォークマンは一つ残らずAndroid搭載で、買い替えるタイミングを完全に失っていました。とはいえアイフォンの音質ではデジアンウォークマンの代わりにはならないので、とりあえずS-masterMX搭載機では最小構成のNW-F885(16GB,ホワイト)を、量販店の店頭にて2万5千円で購入。ポイントが1500円くらいつきました。

nw-f885
画面サイズは4インチ。画面の発色は悪くない。

nw-f885r
裏側。カメラがないこと以外は至って普通のスマホっぽい。

形に文句はないけれど、やっぱ4インチAndroid搭載機になっちゃうとでかいなぁ・・・。スマホと別に持つからサイズは小さい方がいいのに、これじゃあかさばってしまいますね。それともテザリングでもして、こっちをメインで使えって事なんでしょうか。

一通り使った感想としてまず浮かんだのは、思っていたより操作感は悪いものではなかったという点。Android端末はNexus7で経験していたために操作の互換性という前提はあるものの、昔どこかの店で触ったAndroid搭載ウォークマンのカクカク具合はほとんど改善されていて、Aシリーズからの乗り換えでも障壁は感じませんでした。音楽再生だけなら、バッテリーも前まで使っていたA845よりもってくれています。
しかしながら、この端末を白ロムAndroidライクなものとして見るのであれば評価は変わるでしょう。音楽再生以外のウェブブラウジングやメールなど、スマホなら普通にできることはできるけれど、そういう音楽再生でないアクションをした際のバッテリーの減りが半端なものではありません。カメラもないし、なぜAndroidにしたのかわかりませんが、iPod touchの真似事がしたかったのなら失敗だとしか言いようがありません。この端末で用いるAndroidアカウントを普段使っているスマホやタブレットと同じものにするのであれば、内面と外面どちらの要素にも危険がつきまといます。バッテリーの具合を見ても、アンチウィルスアプリを入れる余裕はないので、やはりスマホ的な使い方をせず、Googleアカウントも専用のアカウントを設け、機内モードで通信を切り、音楽再生に特化させるのが一番かもしれません。要するに、単なるDAPだったものにAndroidを載せたはいいが、利便性には繋がっておらず、面倒事が増えただけじゃないのってことです。

nw-f885ss
標準のAndroidから特に変わった点は見られない。

しかしAndroidにしたことで利点が全くないかというとそうでもありません。Androidにはいくつかの音楽プレイヤーがあるので、それまでは一つだった音楽プレイヤーのUIや、基本となる音質設定などの限定という点からは解放されています。Fシリーズだけかもしれませんが、デフォルトで入っているウォークマンの「W.ミュージック」とかいうアプリの音質設定がかなり悪いので、この点は助かりました。このアプリ、付属イヤホンに最適化されているのかわかりませんが、IE80で聴いた限りではかなり耳が痛くなる傾向の音です。音場表現が狭く、SONYのドンシャリの悪い部分だけを鋭くし、定位も悪い。とにかく聴き疲れするのでこれは何だろうということで少し調べたところ、このデフォルトプレイヤーはかなり質が悪いそうで、使わないほうがいいのだそうです。先人の意見を参考に試した限りでは、有料ではあるものの、GoneMad Music Playerというプレイヤーがこのウォークマンに最も合っていると感じました。音場表現もそれなりの広さがあり、定位も明瞭で、それぞれの音域を漏らすことなく表現しており、デジタルアンプの特性を最も活かすことができるはずです。デフォルトのプレイヤーにはガッカリさせられましたが、プレイヤーアプリを変えた途端、Aシリーズを上回る表現の音を出してくれました。ここまでくると、ハードとして完成しつつあるデジタルアンプの精度向上を優先し、ソフト面ではテキトーに作った各種アプリをAndroidに流し込むことでコストの均衡を取っているのかなあとか、思ってしまうわけですが・・・。

このFシリーズでの有料プレイヤー再生時とAシリーズの再生を単純に比較するなら、S-MasterにMXが付いているだけのことはあって、特に分解能の点で大きな進化を感じることができました。それ以外の部分ではあまり変化がないようには思いますが、単純に僕がmp3の再生しかしていないからであって、ハイレゾなんとかかんとかを再生をしたらほかに大きな変化が見られるのかもしれません。そもそもイヤホンだけならS-Master無印の時点で完成度が高かったので、変化を深く感じるのは難しいという話でもあるのでしょう。
またF880シリーズの特徴として、これまでのAndroid搭載Fシリーズには無かった、再生・楽曲の送りボタンが追加されたそうです。
今までついていなかったのか・・・(困惑)

nw-f885button
各ボタン。ちなみにウォークマンのロゴ部分が外部スピーカーになっていて、当然ながら音質は期待に値しない。

このボタンも中々曲者で、プレイヤーをデフォルトではないものにした場合、どのプレイヤーにこのボタンが割り当てられているのかという点の設定項目が見当たらず、メインで使っているプレイヤーとは違うデフォルトの糞プレイヤーが突然再生を始めたりします。まだ使い始めて間もないためだとは思いますが(そうであるのを願うという意味で)、何回かプレイヤーアプリをそれぞれ立ち上げたり終了したりしながらこのボタンをたまに触るという行為(バッテリーがかなり減る)をしていると、上手く割り当てられるような気がします。デフォルトプレイヤーはアンインストールできないので、一度使いたいプレイヤーにボタンが割り当てられたら、二度とデフォルトプレイヤーを起動しないようにする方がいいかもしれません。

ウォークマンがAndroidに走ったということ自体は失敗だとは思いません。しかし、せめてハイエンドでもない価格帯の機種をこういう形で出すならば、Android端末として使う側が違和感を覚えないようにするのが先決だったのではないでしょうか。これでは、Androidにした理由はユーザーのためではなく、単に開発側がソフトウェアを一から作るのが面倒だったからとか、流行り物に乗っかってみただけとか、そういう捉え方をされても仕方がないです。スペックは問題ないレベルまできて、プレイヤー周りの選択肢が広がるのはユーザーにとって面白く、カスタマイズ性を持たせたわけなので、あとはバッテリーとか、自分の所で作ってるアプリをどうにかするところに力を入れるべきでしょうね。あのちょっと高そうな付属イヤホンもそろそろ考えもの。いろんなレビューを見ていると、こういうデジアン載ってるDAPを買う人ってそれなりのイヤホンを持っている人ばかりのような気がします。無理に付属されても結局使わないのだから、そのぶんどこかに力を入れたら良い端末になりそうなのになぁとか。まぁそんなことは実際に無理なので現状があるのでしょうが、デジタルアンプがこれだけ成熟している中で、ホント惜しいと思います。