2011年 6月 の記事

SU-DH1のみりょく

どんなヘッドホンでもバーチャルサラウンドが楽しめるというもの。
良くサラウンドヘッドホンで話題になる2万程度のソニーDS71000などはヘッドホン部分だけで言えば
実売5千円にも満たないようなものである。しかしこれを使ってしまえば何万円のヘッドホンでも
サラウンド化できるのだから、実質的な迫力は何倍にもなるんじゃないかと巷で話題になった機器だ。

実際はどうなのかというと、1万程度で用意できる環境にしては十分すぎる効果をもたらしてくれる。
例えばPS3のようなものに光接続してゲームをやってみると、2.0chでは表現しきれないような
リアルタイムでの音響効果が頭の周りを広く包み、中々の効果を得ることができた。

しかし、良くも悪くもその効果をヘッドホンに左右されやすい製品でもある。
同メーカーのRX700では、音場は広いが高音が弱いせいで残響音が残念な結果となってしまっており、
S-LOGICの効果を期待して購入したULTRASONEのHFI-780とでは前方定位とドルビーヘッドホンががミスマッチだったのか音場表現からリアリティが消滅する結果となってしまい、逆効果だった。
この製品と合うといわれて購入したSE-A1000は安っぽい低音と開放型とは思えない狭い音場に嫌気が差して知人に格安で譲った。
当時愛用していたHD595との相性は中々良好で、自然で広い音場でサラウンド効果も高く満足できる結果に。
HD650は確かに迫力が出るが、低音が強すぎるせいか満足度としてはHD595と同じ程度となる。また音場感もこの機器を通すとHD595にはなぜか劣ってしまった。
D2000は音場もそこそこあり迫力も出るが、それぞれの音の線の太さがやや細いためか強弱の表現に欠け、HD595と比べるとやや劣るも相性は悪くない。

要はどんな傾向のものと組み合わせが良いのかといえば、
あまり音に味付けをしていないもので、自然な音場表現で、できれば開放型が望ましい、という感じになるか。
それは同時にSU-DH1が自然な音の出口を想定した音作りになっているということになるが、
サラウンド化において、癖の無い音を出すということがこの製品の売りでもある。
同じ設計指向で何のヘッドホンでも刺せるソニーのDS1000というサラウンドコンバータがある。
こちらは何というか風呂場にいるかのような音場で、SU-DH1ほどの汎用性は持ち合わせていないように思われる。またこれは比較のしようもないのだが、付属のヘッドホンは利用者をバカにしているとしか思えない出来だ。

ここまで書いておいておきながら今更言うと、このSU-DH1は今年になって生産終了となってしまった。確かに色んな意味で需要が薄そうな製品であるからこうなるだろうとは思っていたが・・・。
しかし冷静になってみれば、サラウンドとして満足がいったのはSU-DH1+HD595クラス以上のものであって、値段は合わせて2万8千円程より上となるということになる。元々ミドルレンジのヘッドホンを持っている人でなければこういう製品には中々手を出さないので、そうなると購入者層も絞られたものとなってしまうか。現状SU-DH1のような小型サラウンドDACで残っているのはDS1000くらいしかなく、こういう類のものを欲しがる人の多くは同列で有名なDS7100に流れていき、当分ソニーの一人勝ち状態が続くこととなるのだろう。とりあえずDS1000を手にしようとしている人には、やめておけという私の強い気持ちだけ受け取っていただければ幸いである。そうすれば少なくともバーチャルサラウンドという技術に幻滅することはないだろう。
手持ちのコレが壊れてしまうまでに、絶望的とは知りつつも後継機の発売を望むばかりだ。

iPhone3GS

去年4月、それまで使用していた携帯電話のディスプレイを割ってしまい、操作が不可能になった。
その壊した携帯電話というのがいわゆるストレート携帯といわれる折りたたみタイプではないもので、
たった一度の落下でもそのパネルを守るすべがなく、簡単に割れてしまいました。

そこで携帯が無いと生きていけない現代人の僕は買い替えのためショップに向かい、以前から面白そうだと思っていたiPhoneをふざけ半分で触ってみます。予想していたよりも静電式タッチパネルの感度はスムーズで、これなら十分日常的な実用にも耐えられるだろうというのが率直な感想でした。
しかしながらiphoneを始めとするスマートフォンの殆どはストレートタイプであるため、以前のように壊してしまうのではないかという不安も同時に出てきます。
それでも十分そのリスクを圧倒できる魅力的な何かがiPhoneにはあったのか何なのか、ガラパゴス携帯と言われる日本企業のそれらとは明らかに違う魅力が見え隠れしているようにも思えました。
スマートフォン自体の存在も世間であまり注目されていないような時期だったので、自分の物好きな性格にも背中を押され購入することに。
というわけで、一年と2ヶ月ほど使用して思った点に関してを書いておこうと思います。

まず携帯端末なわけですから、人間に入ってくる情報量はパソコンよりずっと少なくなるが、スマートフォンの場合はそれを軽減しているという点。
それは性能面でも、視覚面でも同じことが言えます。性能が高ければ10分間に得られる情報は2倍にも3倍にもなり、視覚関係にあるディスプレイが大きければ大きいほど一度に入ってくる情報量は増える。
スマートフォンではこれらを高い水準において兼ね揃えているわけであり、以前よりずっと携帯端末から得る情報が増えたように思います。
その対象はニュースでもあり、ウェブブラウジングでもあり、何の用途に関してもそうです。
特にスマートフォンは精度の高いアプリケーションに富んでいますから、その情報取得に至るまでの手段も難しいものではありませんし、より効率化がなされています。

そしてもうひとつ、情報取得の標準が供給者主体からクライアント主体に変わりつつあるという点。
今まで日本のWeb業界では、携帯電話は携帯専用サイトを見るという暗黙の了解のようなものがあり、
規模の大きいWebサイト製作者は携帯専用ページというものを設けるのが普通でした。
しかしながらこのような携帯電話専用のページというのは、やはり掲載する情報をある程度制限しなくてはなりません。
従来の通信速度やスペックに欠ける携帯端末へ向けたコンテンツになるわけで、相対的に伝わる情報量は激減します。
ですから、上限なく情報が増えつつある現代において今までのような形式はどう考えても不向きです。
そこで世界基準である「携帯端末側をWebにあわせる」という形式がやっと日本にやってきて、
今までガラケー寄りであった方面のコンテンツでさえ、スマートフォンへ向けたサービス展開へとシフトしつつあります。これは情報化発展の流れを汲めば当然とも言える上に、情報発信・取得手段における多様化の妨げをすることがありません。

携帯は携帯、パソコンはパソコンと割り切った人の価値観ではあまり分からないだろうと思いますが、
それらの差別化をなくすことが新たな情報のレールに乗っていける手段になりうるのだとすれば、
これからのスマートフォンはネームバリューだけでなく、実用的に必要不可欠な存在となっていくはずです。
ただし、独自機能好きな国内メーカーが余計なことをしなければの話ですが・・・。

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