HD25とHD595。どちらもSennheiserのヘッドホンであり、目指している表現の方向性が逆であるため使い分けも可能なこの2機種。一応ジャンルを選ぶヘッドホンなので、一箇所につき5~10ジャンルくらいの音源で比較したものです。耳が痛い。
前提的なカテゴライズとしては、HD25はモニター指向、HD595はリスニング指向となっています。
ちなみにHD25はアイルランド製、HD595は中国製です(両者とも現行生産がこれ)。

解像度 – これはHD25の方が上です。やはりモニター向けであるだけに高域のパスが強くなっており、ハイハット音の残響や音の輪郭がはっきりしています。
HD595はやや高域の通過を抑え、感覚的には他の音より遠くで鳴らしているという印象を受けることから
そこまで分離感の良さを感じることはできません。音の輪郭についても同様で、他の音と混ざって聞こえます。

ボーカル表現 – HD595は独立させて中央で鳴らす感じ、HD25は他の楽器と同じレベルで
鳴らすといった具合で、強調としてはHD25の方が上なのですが、どちらの表現がより上質かとなるとHD595
の方が上であるように聞こえます。
(Sennheiser製品は他社よりも中域が強く、どちらもその点では共通しているため、その上での比較です。)

音場表現 –
これは開放型と密閉型の違いからくるものが大きいと思うのですが、HD595が圧倒的に広いです。
逆にHD25はかなり狭いので、音がかなりダイレクトに脳に入ってきます。
この違いによる影響というのは、HD595は音が出てから余裕をもった感じで聞こえるのに対して、
HD25は音が発生してからそれをすぐに耳に伝えるといった具合で聞こえるわけですから、
すなわち音の広がりと直接的に関連しています。595が頭の周りを包むように音を出しているとするなら、
HD25は脳の中に音響装置を設置して鳴らすという具合です。

低音表現 –
量としてはHD25がかなり上。ハウジングのサイズからくる相対的な量の多さというのもありますが、
密度の高い低音をテンポ良く響かせています。ウーファーなどにあたる超低音は微妙に出ている程度です。
HD595はなめらかな低音といった感じで、低音をまとめてあまり主張しすぎず綺麗に鳴らしてくれます。
量はHD25ほど出ませんが、必要量は出ています。

装着感 –
こちらはHD595が圧倒的に上です。
HD25のハウジングは耳に上乗せするタイプなのに対し、HD595は耳の周りを包むように装着します。
それから側圧でも、HD25はかなり強いですが、HD595は必要量程度なので痛みもありません。

結論的には、HD25は原音を尊重するのに対し、HD595はリスナー側を尊重しているという感じです。
恐らく設計思想の違いのようなものなのだと思いますが、HD25は原音をとにかく重視し、
どの音であれ力強く表現をするため、ノリの良い曲やテンポの早い曲にマッチします。
そのため聴き疲れも激しく、丁度よい音量で聴くと30分くらいで頭が痛くなることも・・・。
HD595はとにかく聴き疲れを軽減し、人間が耳障りと感じるであろう音をできるだけ他の音よりも遠ざけ、
心地よい音だけを強く鳴らすことで、リスナーの耳や精神への負担を極力排除しているのだという印象を受けました。